【耐震性】耐震性を高めた家づくりを考える「JAS材について、知っておきたいこと」② 浜松|浜北|磐田

「耐震、ZEH、長期優良住宅」の性能を兼ね備えた家づくりで子どもたちの未来づくり、持続可能な地域づくりへの貢献を目指すスリースターズハウスです。

前回に続いて、建築家のアトリエフルカワ一級建築士事務所・代表の古川泰司氏にお聞きした、JAS材に関するお話をお伝えしたいと思います。これから家を建てる方へJAS材が届くまでの環境について解説してもらいました!

前回の記事はこちら>>http://3stars-h.com/archives/637

 

(参考)古川さんがJAS構造材について分かりやすく解説しています。
「設計者から見たJAS製材品」はこちら>>https://jas-kouzouzai.jp/feature/10_index_detail.php

 

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Q.目利きの大工さんの手加工からプレカットへと木材の加工方法が変わり、JASの品質基準が生まれたことが前回のお話で分かりました!続いて今回は日本全国のJAS材の普及にも詳しい古川さんへ、私たちが暮らす静岡県産材とJAS材の状況について教えていただけますでしょうか?

A.私が知るところでは、浜松エリアには手刻みができる大工さんがまだ残っていると把握しています。木のことが分かる方が居るという一方で、お客様の中には「このご時世、品質の明確なJAS材を使っていって欲しい」という考えの方がいらっしゃり、共存の中で両方を選択する家づくりが行われているという状況ではないか思っています。

 

Q.私たちの地元の地域のことを解説いただけてとても参考になります!
ところで、JAS材には目視等級と機械等級があると知りました。機械等級が実施できる工場は全国にどのくらいあるのでしょうか?

A.JAS材の機械等級を実施するためには、検査機械を導入するための体制や費用、さらには維持費までをまかなえる製材所は決して多くありません。(JAS機械等級区分製材所は全国で約90社です)ね、機械等級区分された材の流通を増やすため、ひとつの製材所だけが全ての設備や行程を負担するのではなく、一次製材をやる製材所とそれ以降の乾燥、ニ次製材、ヤング係数を測るグレーディング検査を引き受けてくれるライセンスをもった工場が手を結ぶ体制づくりが進められています。例えば、協同組合をつくりそこで機械を所有するといった形が製材所とチームになればJAS材の普及が進むと考えられています。静岡県でもこの体制づくりをご提案し、関係各社の方と対話を繰り返して活性化できればJASの機械等級区分を実施できる工場が増え、例えば節があるような木でも品質を保ったものとして供給していけると思います。

 

写真:畑拓

 

Q.今後JAS材はどんな形で建築に活用されていくのでしょうか?

A.物価の高騰で家づくりそのものを諦めてしまう方が多いため、工務店さんはリフォーム、リノベーションへとシフトしていきますね。その理由から木材消費が大きく期待できない一方で、希望となるのは非住宅だと思っています。そちらの作り手には目利きの大工さんのような存在はいませんので、建物の品質を保つためにJAS材が活躍するんですね。

 

築年数が古い商業施設や公共建築が建て替わる際、鉄骨などが高騰する今後はますます木造建築物が採用されることと思います。そこでたくさんの木が使われれば木が育つ山が元気になります。こうした家づくりのための記事を通じて、木のことやJAS材のことについて、さらに関心を持っていただくきっかけになればと思います。

 

古川さんからは「今、日本の山で使える木材がどれだけあるのか?きちんと把握するために使われるのが今年度から導入された森林環境税です。資源量のデータ完備のため、ドローンなどを使って測量していく費用になるんですよ」といったことも教えていただきました。JAS材の説明解説とともにとても奥が深い木や森林の話を聞くことができました。

 

古川さん、どうもありがとうございました!
これからも、木造建築の普及のために頑張ってください。

 

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